遺言を残す大切さとは?遺言書の種類や作成時の注意点も解説

 

証書遺言

「遺言を残す必要があるのは資産がある人だけ」と考える方は少なくありません。しかし、どこにでもあるような普通の家庭ほど、遺産の分け方で揉めてしまうことがあるため、財産を残す人は基本的に遺言書を作成したほうが良いでしょう。

今回は、遺言を作成する重要性や遺言の種類、作成時の注意点などをわかりやすく解説していきます。

遺言を作成する大切さ

遺言がない場合は、法律によって定められた相続人(法定相続人)同士が、遺産分割協議をして、どのように遺産を引き継ぐのか決めます。しかし遺産分割協議をすると、遺産の分け方で揉めてしまう「争族」となりやすいのです。

例えば、子どものいない夫婦がおり、夫が亡くなってしまったとしましょう。夫の財産をすべて相続できると考えていた矢先、疎遠であった夫の兄が現れて「自分にも財産を相続する権利がある」と言い出してくることがあります。

もし亡くなった人が遺言を残していた場合、基本的に遺言の記載内容にしたがって遺産分割が行われます。そのため遺言書で「財産のすべてを妻に相続させる」と書いておくと、亡くなった夫の希望どおり、財産は妻へと相続されるのです。

また家庭環境が複雑な方も、遺言書を作成するのが有効です。例えば、現在の妻が再婚相手であり、現在の妻と前妻のどちらにも子どもがいる場合は、遺言書を作成して誰にどのように財産を引き継がせるのかを指定しておくと良いでしょう。

このように遺言を作成して財産を残す人の思いを伝えることで、争族の発生を防ぎやすくなるのです。

遺言の種類

遺言は以下の3種類あり、作成する際はどれか1つを選択します。

  • 自筆証書遺言:財産を残す人が本文や日付などを手書きして作成する遺言

  • 公正証書遺言:公証人が遺産を残す人の要望を聞いて作成する遺言

  • 秘密証書遺言:財産を残す人が作成し公正役場で存在を証明してもらう遺言

上記のうちもっとも手軽に作成できるのは、紙と筆記用具、印鑑、封筒などを準備するだけで作成できる自筆証書遺言です。2019年からは財産の内容を記載した「財産目録」のみパソコンでの作成が認められ、より手軽に作成が可能となりました。

ただし自筆証書遺言は、日付の記載漏れをはじめとした不備が発生しやすく、無効になるリスクが高い点に注意が必要です。またせっかく自筆証書遺言を作成しても、発見されないリスクや、発見した人によって改ざんされるリスクがあります。

一方、公正証書遺言であれば、作成に数万〜数十万円程度のコストがかかるものの、公証人が作成するため無効となるリスクが低いです。また作成後は、公正役場で保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。

なお亡くなった人が残したと思われる自筆証書遺言や秘密証書遺言が発見された場合、開封する前に家庭裁判所の検認を受ける必要があります。

自筆証書遺言の保管制度が開始

20207月から「自筆証書遺言保管制度」が開始され、法務局で自筆証書遺言を保管してもらえるようになりました。自筆証書遺言保管制度を利用することで、遺言書を紛失するリスクがほぼなくなります。

また自筆証書遺言保管制度を利用すると、家庭裁判所で検認を受ける必要がないため、遺産を相続する人の負担を減らせます。

遺言を残す際の注意点

遺言で遺産の分け方を指定する場合は、以下の2点に注意が必要です。

  • 遺留分を侵害しないようにする

  • 認知症を患うと遺言書を作成できない

遺留分を侵害しないようにする

遺言書を作成したとしても、必ずその通りに遺産分割が行われるわけではありません。配偶者や子どもなど、一部の相続人には「遺留分」という権利が認められているためです。

遺留分とは、残された家族の生活を保障するために、法律で決められた最低限の遺産を相続できる権利です。遺産を分割する際の目安として国が定める「法定相続分」の半分※が、遺留分の目安となります。
※父母や祖父母などが相続人である場合は法定相続分の
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例えば、相続人が配偶者と子ども1人の合計2人である場合、法定相続分と遺留分は以下の通りです。

  • 法定相続分:配偶者1/2、子ども1/2

  • 遺留分:配偶者1/4、子ども1/4

もし遺産の総額が1億円であった場合、法定相続分は配偶者5,000万円、子ども5,000万円です。遺留分は、配偶者2,500万円、子ども2,500万円となります。

遺言で「妻に遺産のすべてを相続する」と記載しても、子どもが遺留分を主張すると、配偶者は子どもに2,500万円の遺産を分けなければなりません。

遺留分を侵害すると、かえってトラブルに発展しかねないため、遺言書を作成する際は、相続人の遺留分を侵害しないようにしましょう。

なお法定相続人のうち、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

認知症を患うと遺言書を作成できない

認知症を患ってしまい正常な判断能力がなくなってしまうと、遺言を作成しても無効となります。

また認知症を患ってしまうと、遺言書の作成だけでなく、生きているうちに財産を贈与する「生前贈与」をはじめとしたすべての法律行為が無効となります。

認知症を患ってしまうと、一切の相続対策ができなくなり手遅れとなってしまうため、健全なうちから相続対策を始めることが大切です。

まとめ

遺言書を作成し、遺産の分け方を指定しておくと、相続人同士のトラブルを防ぎやすくなります。ただしルールに沿って作成されていない遺言書は、無効です。また遺言書で相続人の遺留分を侵害すると、トラブルになってしまう可能性があります。

遺言書を作成する際は、相続に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)や税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。弊社にも相続専門のFPが在籍しておりますので、遺産の分け方で家族が揉めて欲しくないと考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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