建て替えでも住宅ローン減税を使える?控除額や要件を解説

建て替えでも住宅ローン減税つかえる?

「住宅を建て替えると、住宅ローン減税を利用できるのだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。

マイホームの新築やすでに建っている住宅の購入時だけでなく、所有している土地の上にある建物を建て替えるときも、所定の要件を満たせば住宅ローン減税(住宅ローン控除)の対象になります。

本記事では、建て替えをしたときの住宅ローン控除について解説します。

建て替えでも住宅ローン控除を利用できる

住宅ローン控除とは、住宅ローンを含む借入金で住宅を新築したり購入したりした人が利用できる税の優遇制度です。年末時点のローン残高に応じて、所得税と一部の住民税を減額してもらえます。

住宅ローン控除の対象になるのは、返済期間が10年以上であるローンを組んで住宅を取得したときです。住宅ローンだけでなく、建て替えローン(住み替えローン)を組んだときも、要件を満たせば住宅ローン控除を受けられます。

建て替えローンとは、住宅ローンを返済中である人が物件を新築したり建て替えたりするときに利用できるローンです。返済中の住宅ローンを完済し、新たに借り入れるローンに一本化します。

過去に住宅ローン控除を利用したことがあっても、要件に当てはまるのであれば、新たに住宅ローンや建て替えローンを組んだときも控除を受けられます。

一方で返済期間が10年以上であっても、親や祖父母、知人からのお金を借りたのであれば住宅ローン控除を利用できません。また、ローンに含まれる建物の解体費用や取り壊し費用、諸費用(仲介手数料・印紙代など)も住宅ローン控除の対象外です

20221月以降の住宅ローン控除

2022年の税制改正によって、住宅ローン控除の内容や要件が変更されました。そのため控除額や控除を受けられる期間などが、2021年末までの住宅ローン控除とは異なります。
→ 住宅ローン減税が令和4年に改正される見通し!変更点をわかりやすく解説

2021年末までの住宅ローン控除は「年末時点の借入残高×1%」で控除額が計算されました。それが20221月以降は「年末時点の借入残高×0.7%」に変更されています。

控除が受けられる期間については、改正前と同じく最長10年または13年ですが、条件が変更されています。

改正前は、10%の消費税が課せられる住宅を購入し、所定の期日までに入居すると控除期間が13年となりました。

一方で改正後は、新築住宅または買取再販住宅(不動産会社が買い取って再販をする住宅)の場合、控除期間は基本的に13年となります。中古住宅(既存住宅)の控除期間は、基本的に10年です。

住宅ローン控除の対象となる借入限度額

新制度の住宅ローン控除は、環境性能が高い住宅に建て替えるほど、対象となる借入限度額が高くなります。新築住宅や買取再販の借入限度額は、以下の通りです。

 

2022年・2023年に入居

2024年・2025年に入居

長期優良住宅・低炭素住宅

5,000万円

4,500万円

ZEH水準省エネ住宅

4,500万円

3,500万円

省エネ基準適合住宅

4,000万円

3,000万円

その他の住宅

3,000万円

0

2023年までに新築の建築確認がされていた場合は2,000万円

参考:国土交通省「住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置(所得税・相続税・贈与税・個人住民税)

※長期優良住宅:省エネ性能やバリアフリー性能、耐震性能などが一定の基準を満たす環境性能が高い住宅
※低炭素住宅:二酸化炭素の排出を抑える取り組みが実施された住宅
※ZEH水準省エネ住宅:建物を利用するときに発生するエネルギーの年間消費量がおおむねゼロになる住まい
※省エネ基準適合住宅:断熱性能や建物利用時に発生するエネルギー消費量が一定の基準を満たす住宅

20221月以降の住宅ローン控除は、上記の通り住宅の種類と入居するタイミングに応じて、制度の対象となる借入限度額が決まります。

また、その他の住宅に該当する場合、2023年までに建築確認が済んでいなければ住宅ローン控除の対象になりません。加えて入居する年が2024年以降になると、控除期間は10年となります。

住宅ローン控除を受けるための条件

住宅ローン控除を受けるためには、借入金以外にも入居する時期や住宅の床面積などの要件を満たす必要があります。具体的には、以下の通りです。

  1. 新築または取得の日から6か月以内に住み始め、住宅ローン控除の適用を受けるそれぞれの年の1231日まで引き続いて住んでいる

  2. 新築または取得をした住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の1/2以上を自分自身が住むために利用する

  3. 合計の所得金額が2,000万円以下である

  4. 住宅に住み始めた年とその前後2年ずつの計5年間に、マイホームを売却したときの譲渡所得にかかる税金を優遇する特例の適用を受けていないこと

参考:「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

住宅の床面積が50㎡以上でなければ、基本的に住宅ローン控除は利用できません。ただし、住宅ローン控除を受ける人の合計所得金額が年間1,000万円以下である場合、2023年までに建築確認が済んでいれば、床面積40㎡以上から住宅ローン控除の対象になります。

なお、住宅ローン控除を受けるためには、要件を満たした上で確定申告をする必要があります。会社員や公務員など、勤務先が代わりに所得税を納めてくれている方も、初めて住宅ローン控除を申請するときは確定申告が必要です。

まとめ

建て替えをするために住宅ローンや建て替えローンを組んだ場合、要件を満たせば住宅ローン控除を利用して所得税や一部の住民税の負担を軽減できます。ただし、建物の解体費用や諸費用は、ローンの借入元本に含まれていたとしても住宅ローン控除の対象外です。

また、2022年の税制改正によって住宅ローン控除の内容や要件が変更されています。建て替えを検討している方は、住宅ローン控除の内容や利用の可否を不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーに相談すると良いでしょう。

【初回相談 無料】お金の悩み・疑問を解決します

「ライフプランニング」「不動産」「資産運用」「保険」「相続・贈与」「タックスプランニング」FP6分野をトータル的に考え、お客様のライフプランに沿った資産形成を中立的な立場でアドバイス出来るのがFPrepの特長です。 お気軽にお問合せ下さい。
【オンラインでの面談も可能です(全国対応)】