新型コロナウイルスのワクチン接種で亡くなった場合の救済制度とは?生命保険で保障される?

新型コロナウイルスのワクチン接種で亡くなった場合の救済制度とは?生命保険で保障される?

20217月現在、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでおり、すでに2回の接種が済んだ方も多数います。一方で「ワクチンを接種して万一のことがあったらどうしよう」と心配をされている方も多いのではないでしょうか。

ワクチンの接種後に残念ながら亡くなった場合や障害が残った場合、国から支援金を受け取れる可能性があります。またワクチン接種による死亡は、民間生命保険の死亡・高度障害保険金の支払対象です。

本記事では、新型コロナウイルスのワクチン接種で亡くなってしまった場合に申請できる国の救済制度や、民間生命保険会社の保険金の取り扱いを解説していきます。

予防接種健康被害救済制度

予防接種健康被害救済制度とは、予防接種を受けたあと、副反応によって健康被害が発生した場合に、所定の給付が受けられる制度です。

ワクチンの接種によって亡くなった場合だけでなく、体調不良となり医療機関で治療を受けた場合や、所定の障害が残ってしまった場合も給付の対象です。

給付の種類・給付額

予防接種健康被害救済制度の給付内容のうち、新型コロナウイルスワクチンを接種した人が亡くなった場合の給付は、以下の通りです。

  • 死亡一時金:死亡した方の遺族に一律44,200,000円が支給される

  • 葬祭料:死亡した方の葬祭を行う者に一律212,000円が支給される

出典:厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」をもとに作成

ワクチンの接種で亡くなった場合、遺族に対する一時金だけでなく、亡くなった人の葬儀費用も給付されます。給付額は、合計で約4,440万円です。また死亡一時金や葬祭料は、ワクチンを接種した医療機関側の過失の有無にかかわらず支給されます。

ワクチンを接種した方が、病院で治療を受けたり所定の障害状態になったりした場合は、以下の給付を受けられる可能性があります。

  • 医療費:かかった医療費の自己負担分を支給

  • 医療手当:入院通院に必要な諸経費(月単位で支給)

  • 障害児養育年金:一定の障害を有する18歳未満の者を養育する者に支給

  • 障害年金:一定の障害を有する18歳以上の者に支給

出典:厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」をもとに作成

医療手当は、通院日数や入院日数に応じて給付額が決まる仕組みです。障害児養育年金と障害年金は、障害等級に応じて給付額が変わります。

なお予防接種健康被害救済制度では、他にもワクチンの接種が原因で亡くなった人の遺族に支給される「遺族年金」や「遺族一時金」があります。しかし、新型コロナウイルスワクチンの接種で亡くなった場合、遺族年金や遺族一時金は支給されません。

遺族年金や遺族一時金の給付対象となるのは、インフルエンザをはじめとした「B類疾病の定期接種」で亡くなった場合です。新型コロナウイルスワクチンは、「臨時接種」に該当するため、遺族年金と遺族一時金の給付対象外となります。(新型コロナウイルスワクチンの場合は「死亡一時金 44,200,000円」)

申請方法

予防接種健康被害救済制度の給付を受けるためには、ワクチン接種によって健康被害を受けた本人またはその家族などが、市町村に対して申請をし、所定の審査に通過しなければなりません。

審査の結果、死亡とワクチンの接種に因果関係があると厚生労働大臣から承認された場合、死亡一時金や葬祭料が支給されます。

なお死亡一時金や葬祭料を申請してから支給結果が通知されるまでに、少なくとも数ヶ月、長いケースでは1年以上かかることがあります。

申請に必要な書類や申請方法は、厚生労働省のホームページまたはお住まいの市町村に問い合わせのうえ、ご確認ください。

生命保険会社の死亡保険金

民間の生命保険会社で生命保険や医療保険に加入している場合は、 新型コロナウイルスのワクチン接種を原因として死亡した場合も、保険金・給付金の支払対象となります。

またワクチンの治験や、治験を受けたあとの副作用を原因として死亡した場合も保険金の支払対象となるのが一般的です。なおワクチンの治験に参加しても、加入している保険の契約は無効になることはありません。

ワクチンを打って死亡した場合に保険金が出ないなどの情報がネットに出回っていたりしますが、河野太郎ワクチン担当相が「mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されている。その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われている。」と発言しているように、国としてワクチンの効果を認めている以上保険会社が独断で支払い無効などの判断は大問題になるでしょう。

保険会社各社のホームページでもコロナウイルスに関する入院やワクチン接種後の入院や死亡などの保障は問題無く給付される旨が書かれています。

生命保険の死亡保険金を受け取るためには、保険を契約するときに決めた「保険金受取人」が生命保険会社に対して請求手続きをする必要があります。

亡くなったあと残された家族に、死亡保険金をスムーズに受け取ってもらうためには、加入している保険契約の内容や保険会社の連絡先などを共有しておくと良いでしょう。

新型コロナウイルスのワクチン接種後に保険は入れるか?

新型コロナウイルスのワクチン接種をした事が保険加入の影響があると公表している保険会社はありません。
上述のように、新型コロナウイルスのワクチン接種をした事により過去の契約が無効になるという事もありません。

新型コロナウイルスに特化した保険も色々出ているのが現状です。
ワクチン接種やPCR検査の陽性・自宅待機などは保険加入の告知事項に該当します。
自宅待機解除後1ヶ月経過しないと加入できないなど、保険会社によって条件は異なりますのでその辺は注意が必要となります。

まとめ

ワクチン接種が原因で亡くなった場合は、予防接種健康被害救済制度の死亡一時金や葬祭料が、残された家族に支給されます。ワクチン接種による体調不良で病院を受診したり、所定の障害状態に該当したりした場合も、給付を受けられる可能性があります。

またワクチン接種による副反応が原因で亡くなった場合や、ワクチンの治験に参加して亡くなった場合、民間生命保険の死亡保険金の支払対象です。

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける前に、予防接種健康被害救済制度の申請方法や加入している民間生命保険の契約内容・請求方法を確認しておくと良いでしょう

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