2022年にiDeCoが改正!3つの主な改正点をわかりやすく解説

iDeCo改正

老後資金を積み立てられる手段として活用できるiDeCo。加入者数は年々増加しており、202111月時点で約224万人に達しています。※出典:iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について

そんななか、2020年の法改正によりiDeCoの制度内容が変更される予定です。これまでiDeCoに加入できなかった方も、制度の改正後は加入できるかもしれません。本記事では、iDeCoの改正点をわかりやすく解説します。

iDeCoとは

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。毎月掛金を支払って、投資信託や年金保険などで運用し、自分自身で老後の年金を積み立てていきます。

iDeCoの掛金は、全額が所得控除の対象です。年間で支払った掛金と同額が、所得税や住民税の計算対象となる所得から差し引けるため節税効果が期待できます。

他にもiDeCoには「運用益が非課税」「年金または一時金を受け取るときに税の優遇が受けられる」などのメリットがあります。iDeCoについては以下の記事で解説していますので、併せてご確認ください。

iDeCoが改正される予定

iDeCoの改正点は、主に以下の3点です。

  1. iDeCoに加入できる年齢の拡大

  2. 企業型DCと併用しやすくなる

  3. 受給開始年齢の引き上げ

改正点1.iDeCoに加入できる年齢が拡大

これまでのiDeCoは、基本的に60歳未満の方でなければ加入できませんでした。それが20225月からは、国民年金の被保険者であれば60歳以降も加入できるようになります。

国民年金の被保険者は、以下の3種類に分かれています。

  • 1号被保険者:自営業やフリーランスなど

  • 2号被保険者:会社員をはじめとした厚生年金加入者

  • 3号被保険者:第2号被保険者に扶養される主婦や主夫

1号被保険者と第3号被保険者については、60歳以降に任意加入をするとiDeCoにも加入できます。任意加入とは「学生納付特例制度」により保険料の納付を猶予されていた人や海外に居住していた人などが、60歳以降も国民年金に加入できる制度です。

任意加入をして60歳以降も国民年金の保険料を納めると「老齢基礎年金」の受給額を満額に近づけられます。国民年金を任意加入する人は「加入期間が40年に達する」または「65歳を迎える」まで、iDeCoへの加入が可能です。

2号被保険者については、60歳以降も企業に勤めて厚生年金に加入すると、iDeCoに加入できます。ただし労働時間をはじめとした要件を満たしておらず、厚生年金に加入できない場合は、iDeCoにも加入できません。

改正点2.iDeCoと企業型DCを併用しやすくなる

企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、企業が掛金を積み立てて運用し従業員の年金を準備する制度です。

これまでは、勤務先が企業型DCを導入している場合、従業員がiDeCoに加入するためには、労使合意や規定の変更が必要でした。202210月以降は、労使合意や規約の変更がなくても、従業員の意志だけでiDeCoに加入できるようになります。

企業型DCに加えてiDeCoにも加入することで、掛金額を増やせるだけでなく、iDeCoの口座を開設した金融機関が取り扱う金融商品を選べるようにもなります。より多くの老後資金を準備したい方や、勤務先が提示する企業型DCの運用商品に気に入るものがない方などにとっては、嬉しい変更点といえるでしょう。

ただし勤務先がマッチング拠出を実施している場合、従業員はマッチング拠出とiDeCoのどちらかを選択する必要があります。マッチング拠出とは、企業型が拠出する掛金にプラスして、従業員が自ら掛金を拠出できる制度です。

加えて、勤務先が負担する企業型DCの掛金が上限額を超えている場合は、iDeCoに加入できません。上限額は、勤務先が「確定給付型年金」を導入しているかどうかで異なります。

◯企業型DCのみを導入する企業

  • iDeCoの掛金:月額2万円

  • 合計掛金:5.5万円

◯企業型DCと確定給付型年金を導入する企業

  • iDeCoの掛金:月額1.2万円

  • 合計掛金:2.75万円

改正点3.受給開始年齢の延長

iDeCoの受給開始年齢は、6070歳までの間で選択できます。それが20224月以降は、iDeCoの受給開始年齢が6075歳までに拡大されます。

iDeCoの受給開始年齢が最長75歳までに拡大されたのは、公的年金の繰下げ受給年齢が最大70歳から75歳に変更になったためでしょう。

老齢年金の繰下げ受給とは、本来の受給開始年齢である65歳よりあとに年金の受け取りを開始することです。繰下げ受給を選択すると、老齢年金に所定の割増率が一生涯にわたって適用されるため、年金受給額を増やせます。

老齢年金の繰下げ受給年齢とiDeCoの受取開始年齢が引き上げられたことで、より一人ひとりの働き方や生活に合わせた受給が可能となりました。ただしiDeCoの受取開始年齢を送らせても、公的な老齢年金とは違って受給額が増えるわけではない点に注意しましょう。

まとめ

iDeCoが改正され、加入できる年齢や受け取り開始年齢が引き上げられただけでなく、企業型DCを導入する企業で勤める人も加入しやすくなりました。

今後は「人生100年時代」になるといわれていることもあり、定年を延長する企業や老後も働く方は今後増えていくでしょう。一方で、少子高齢化の進展により老後の年金受給額をご自身の力で準備する必要性はより高まっていきます。

今回のiDeCoの改正は、こうした社会背景の変化に合わせたものでしょう。これまでiDeCoに加入していなかった人や加入できなかった人は、ぜひ加入を検討されてみてはいかがでしょうか。

iDeCoについてより詳しく知りたい方や、老後に金銭的な不安を抱えることのないよう計画を立てたい方は、ぜひ弊社のFPまでご相談ください。

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