住宅ローンの固定期間選択型とは?特徴や選ぶ際に確認すべきポイントを解説
住宅ローンの金利タイプには「変動金利」「全期間固定金利」「固定期間選択型」があり、どれを選択するかによって毎月の返済額や返済総額が変わります。
金利タイプのうち、借入当初の金利や毎月の返済額だけで決めてしまうと失敗しやすいのが「固定期間選択型」です。
今回は、固定期間選択型の住宅ローンについて特徴やメリット、デメリットを分かりやすく解説していきます。
【目次】
固定期間選択型とは
固定期間選択型とは、住宅ローンを借り入れた当初の3年や5年、10年間などの一定期間、金利を固定する金利タイプです。金利の固定期間中は、毎月の返済額や返済額に占める借入元本と利息の内訳は変わりません。
金利の固定期間が終了したあとは自動的に変動金利へと移行しますが、金融機関が取扱いをしている範囲で再び金利を一定期間固定させることも可能です。
なお金融機関によっては、再び金利を固定させるときに手数料がかかる場合があります。
固定期間選択型を選んでいる人の割合
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを組んだ人が選んだ金利タイプの割合は以下のとおりです。
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固定期間選択型:20.7%
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変動金利:68.1%
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全期間固定金利:11.2%
※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2021年4月調査)
調査の結果によると、住宅ローンを組んだ人の約2割が固定期間選択型を選んでいます。
また同調査によると、固定期間選択型を借り入れた人が選択した金利固定期間の割合は、以下のとおりです。
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2年:1.3%
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3年:9.6%
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5年:7.4%
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その他(10年未満):4.5%
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10年:35.0%
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10年超:42.1%
※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2021年4月調査)
調査の結果によると、固定期間選択型を借り入れた人の約8割が、金利の固定期間を10年以上に設定しています。
固定期間選択型のメリット・デメリット
固定期間選択型には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説します。
固定期間選択型のメリット
固定期間選択型のメリットは、主に以下の2件です。
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借り入れから一定期間の返済額を固定できる
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全期間固定金利よりも低金利
固定期間選択型の住宅ローンを組んだ場合、金利の固定期間が終了するまで毎月の返済額が増える心配はありません。
例えばマイホームを購入してから10年間は、子どもの教育費や進学費などがかかるとしましょう。金利の固定期間を10年にすると、教育費がかかるあいだ金利上昇による返済負担の増加を心配せずに済みます。
また固定期間中は、変動金利なみの低金利が適用されるため、返済負担が家計を圧迫するリスクを抑えつつ住宅ローンの返済を着実に進められます。金利の固定期間終了後に一括返済すると、負担する利息額を大幅に抑えられるでしょう。
固定期間選択型のデメリット
固定期間選択型には、以下2点のデメリットがあると考えられます。
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固定期間終了後の変動金利に「5年ルール」と「125%ルール」が適用されない
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借り入れ時点で返済総額が確定しない
5年ルールとは、毎月の返済額が5年に1度のタイミングで見直されるルールです。125%ルールは、見直したあとの返済額が見直し前の125%超にはならないというルールを指します。
固定期間が終了したあとの変動金利は、通常の変動金利とは異なり5年ルールや125%ルールが適用されません。そのため金利の上昇に応じて返済額が増えたり、見直し後の返済額が125%を超えたりする恐れがあります。
参考記事 → 変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」をわかりやすく解説
また固定期間選択型は、金利の固定期間が終了したあとの選択によって返済総額が変わります。全期間固定金利とは異なり、借入時に返済総額や毎月の返済額は確定しません。
固定期間選択型を借りるときに確認すべきポイント
固定期間選択型を借り入れるときは「金利の優遇幅」を必ず確認することが大切です。
住宅ローンの返済額を計算するときに用いられる金利を「適用金利」といいます。適用金利は、世の中の金利相場をもとに金融機関が決める「店頭金利」から、金融機関独自の割引である「優遇金利」を差し引いて計算します。
固定期間選択型は、金利の固定期間が終了すると優遇金利が引き下げられて、適用金利が高くなり返済負担が増えてしまう恐れがあるのです。
また固定期間が終了したときの世の中の金利相場が、借り入れたときよりも上昇していた場合、店頭金利も増加することで返済負担が著しく増えてしまうかもしれません。
固定期間選択型は、固定期間が終了したあとの優遇金利や返済負担を確認したうえで借り入れましょう。
まとめ
固定期間選択型は、借り入れてから一定期間の金利が固定される金利タイプです。金利の固定期間中は、金利上昇を心配することなく着実に返済を進められます。
一方で固定期間が終了したあとの変動金利には、5年ルールや125%ルールが適用されません。また固定期間終了後に、優遇金利が変わらないか確認したうえで借り入れることが大切です。
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