火災保険料が値上げへ!契約期間は短縮される見込み
マイホームを購入した人や、賃貸マンションに住んでいる人の多くは、火災保険に加入しています。実は、火災保険が2022年1月から値上げされる見込みであるのをご存じでしょうか。
本記事では、火災保険が値上げとなる背景や、これからの火災保険の選び方について解説していきます。
【目次】
火災保険が2022年1月から値上げ予定
近年度重なる台風や集中豪雨などの自然災害の影響により、火災保険の保険料は2022年1月から値上げされる予定です。
火災保険料は、損害保険料算出機構という機関が算出する「参考準率」をもとに損害保険各社が独自で決めています。2022年1月からは、参考準率が全国平均で10.9%上昇するため、損害保険各社は火災保険料を値上げすると想定されます。
ただし現在契約中である火災保険は、契約期間が満了し更新を迎えるまで値上げの影響を受けません。
値上げ幅は建物の構造やエリアなどによって異なる
+10.9%という数値は、あくまで全国平均です。保険料の改定率は、建物の構造や建物があるエリア、築年数などに応じて変わります。以下は、保険金額を建物2,000万円、家財1,000万円とした場合の改定率の最大値と最低値を例示したものです。
○築5年未満・M構造(鉄筋コンクリート造等の耐火構造を持つ共同住宅)
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最大値:+30.5%(宮崎県)
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最小値:-4.7%(山形県)
○築10年以上・H構造(木造等の建物)
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最大値:+36.6%(沖縄県)
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最小値:-10.3%(山口県)
自然災害の影響を受けやすいエリアにある住宅や、自然災害で被害を受けやすい構造である住宅ほど、改定率は高くなります。
契約期間は最長10年から5年へ短縮
2021年8月現在、火災保険は最長10年で契約できます。しかし2022年1月以降は、最長5年でしか契約できなくなる予定です。
火災保険の最長契約期間は、2015年に35年から10年へと引き下げられたばかり。前回の見直しからわずか6年での見直しとなりました。
火災保険は、契約期間が長いほど高い割引率が適用されて、保険料が割安になります。2022年1月から契約期間が10年から5年に短縮されることで、適用される割引率が低下すたるため、支払う保険料は割高となるでしょう。
値上げと契約期間の短縮が行われる背景
火災保険料の値上げと契約期間の短縮が行われるのは、近年頻発している台風や豪雨などの自然災害によって火災保険の保険金支払が増加しているためです。
損害保険料算出機構によると、台風や豪雨などの被害により2018年には1兆3,578億円、2019年には9,150億円の火災保険金が支払われています。特に2018年は、損害保険会社の多くで火災保険部門の収支が赤字となりました。
台風や豪雨で大規模な被害が発生しているのは、地球温暖化と築古物件の増加が原因であるといわれています。
地球温暖化で気温が上昇すると、雨の降らない日が増える反面、一度に大量の雨が降りやすくなって河川の氾濫や洪水などの被害が発生しやすくなるといわれています。
また築古物件は、新築や築浅の物件よりも、建物や設備が老朽化しているため自然災害で損害が発生しやすいです。
このような要因が重なり、火災保険の保険金支払額が増加して収支が悪化したため、保険料が値上げされることになりました。
これからの火災保険の選び方
火災保険への加入を検討されている方は、契約期間をできるだけ長くすると良いでしょう。
今後も地球温暖化や築古物件の増加は続くと考えられるため、火災保険料がさらに値上げされる可能性は高いと考えられます。契約期間を長くしておくと、期間が満了するまで火災保険の値上げの影響を受けずに済みます。
また余分な保険料を支払うことがないように、建物・家財の保険金額や補償が適用される範囲などを適切に設定することも大切です。
特に家具や家電など家財の補償額(保険金額)は、自宅にあるものすべてを買い直したときにかかる金額を考えたうえで設定するとよいでしょう。
火災や風災、水災、盗難など、補償が適用される範囲を決めるときは、自治体が公開するハザードマップや住まいの防犯性能などをもとに決めるのが有効です。
一方で、保険料を安くできたとしても、損害が発生したときに必要な保険金が受け取れなくては、火災保険に加入する意味がありません。ファイナンシャルプランナーをはじめとした専門家に相談のうえ、適切な保険金額や補償範囲に設定すると良いでしょう。
自動車保険は値下げされる見込み
保険料が値上げされる火災保険とは対照的に、自動車保険の参考純率は2022年1月から全国平均で3.8%引き下げられるため、保険料は値下げされる見込みです。
自動車保険の参考純率が引き下げられるのは、自動ブレーキや衝突被害軽減ボディなど車の安全性向上によって、交通事故による損害や死者数などが減っているためです。
また新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛によって運転する機会が減ったことも、保険料率の引き下げに関係していると考えられます。
まとめ
火災保険は、2022年1月に保険料の値上げと、保険期間の短縮が予定されているため、保険料の支払いが家計に負担を与えやすくなるでしょう。
火災保険に加入する際は、これまで以上に保険金額や補償範囲を適切に設定したうえで、できるだけ長い保険期間に設定して加入することが大切です。
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