ドルコスト平均法とは?リスク軽減効果が期待できる理由やメリットを解説
「投資を始めたいものの、損失が怖い」と考えている方も多いのではないでしょうか。
投資にリスクはつきものであるため、利益を得られる場合もあれば損失を負うこともあります。一方でリスクを抑えることはできます。投資の経験を問わずリスクの軽減効果が期待できるのが「ドルコスト平均法」です。
本記事では、投資を始めるときに知っておきたいドルコスト平均法についてわかりやすく解説します。
ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法は、価格が変動する金融商品を常に一定の金額かつ決まったタイミングで購入し続ける投資方法です。決まったタイミングで一定金額を買い続けることで、商品の価格が低いときの購入量は少なくなり、価格が高い時は購入量が多くなります。
では、ドルコスト平均法を利用することでどのような効果を得られるのでしょうか。ある金融商品を毎回20,000円ずつ10回購入した例でみていきましょう。
1口の価格 |
購入口数 |
合計口数 |
|
1回目 |
10,000 |
2.0 |
2.0 |
2回目 |
9,000 |
2.2 |
4.2 |
3回目 |
8,000 |
2.5 |
6.7 |
4回目 |
7,000 |
2.9 |
9.6 |
5回目 |
6,000 |
3.3 |
12.9 |
6回目 |
5,000 |
4.0 |
16.9 |
7回目 |
4,000 |
5.0 |
21.9 |
8回目 |
5,500 |
3.6 |
25.5 |
9回目 |
7,000 |
2.9 |
28.4 |
10回目 |
8,500 |
2.4 |
30.8 |
投資元本の合計は20,000円×10回=200,000円となります。
上記のシミュレーション結果をみると、10回目の購入を終えた時点で商品の保有口数は、合計30.8口です。そのときの価格は8,500円であるため、保有資産は8,500円×30.8口=261,800円となり、元本から61,800円増える結果となりました。
1回目で200,000円の資金をまとめて投資していた場合、商品を合計で20口購入できます。その後、商品の価格が変動することで、最終的な保有資産は8,500円×20口=170,000円となります。よって一括で投資をすると30,000円の損失が発生する結果となりました。
このように、資金を複数回に分けて積立投資をすることで、時間が分散されリスクとリターンを平準化できます。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法を用いた投資には、以下のメリットがあると考えられます。
-
いつでも始められる
-
高値づかみを回避できる
-
まとまった資金がなくても始められる
いつでも始められる
資金を一括で投じる場合「資金を投じたあとに価格が下がらないだろうか」と不安になり、投資するタイミングをなかなか決められないことがあります。
その点ドルコスト平均法は、金融商品を購入するタイミングを分散するため、一括投資と比較すれば始めるタイミングに悩みにくいといえます。
高値づかみを回避できる
金融商品の価格がもっとも高いタイミングで、まとまった資金を投じて高値づかみをしてしまうと、商品の価格が下がり損失が発生してしまいます。
一方でドルコスト平均法は、毎月一定金額を決まったタイミングで購入します。商品の価格が高いときの購入量は少なくなり、価格が安いときの購入量は多くなるため、高値づかみをする心配はありません。
金融商品の価格は、日々変動するものです。価格の変動に一喜一憂することなく投資を続けられるのは、ドルコスト平均法のメリットといえます。
まとまった資金がなくても始められる
ドルコスト平均法を用いた積立投資をするために、まとまった資金は必要ありません。数千円や数万円から始められるため、余裕資金が少ない人でも始めやすいといえます。
金融機関によっては、100円から投資信託を購入できます。投資信託は、投資家から集めた資金を運用のプロが株式や債券などで運用して利益を狙う金融商品であり、積立投資をする際に選ばれることが多いです。
投資額が少額であれば、たとえ損失が発生したとしても資産を大きく減らす心配はありません。あまり損失を負いたくない方は、100円から投資信託を積み立てるのも方法でしょう。
ドルコスト平均法の注意点
ドルコスト平均法を用いたとしても、損失の発生を完全に防止できるわけではありません。商品の価格が高い時期が続いたあとに暴落すると、損失が発生することがあります。
また、分散投資よりも一括投資のほうが有利になるケースがあります。例えば、商品の価格が上がり続けている場合は、ドルコスト平均法を用いた積立投資をするよりも、まとまった資金を一括で通した方が利益を得られるでしょう。
ドルコスト平均法を用いた積立投資をするときも、一括投資と同様に投資する商品を慎重に選ぶことが大切です。
ドルコスト平均法(改良型)
ドルコスト平均法を用いていても、暴落時には大きくマイナスになってしまう事もあります。
コツコツ積立をしてれば将来的に増えると頭では分かっていても、いざ急激な価格変動を目の当たりにすると心理的にコツコツを継続するのが難しかったりするものです。
目いっぱい積立をできるだけするという感じでは無く、少し余裕を持って大きく下がった時には積立額を増やせるくらいの余力を残しておくと良いでしょう。
相場の急変でも安く積立が出来ているという心のゆとりを持てる積立の仕方(資金量)が重要です。
まとめ
ドルコスト平均法を用いて、金融商品を決まったタイミングと金額で購入すると、リスクの軽減効果が期待できます。また、投資するタイミングを考える必要がなく、少額から始められるのもドルコスト平均法を用いた積立投資のメリットです。
一方で積立投資をしても損失が発生するケースはあります。投資を始めるときは、損失が発生したとしても当面の生活に影響が出ないよう、余裕資金で行うことが大切です。
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