60代の平均貯蓄額はいくら?老後のお金の不安を解消する方法も解説【2024年5月更新】

60代平均貯蓄額60代は、一般的に定年退職を迎えて老後生活が始まる年代です。多くの方が給与収入から年金収入へと移行し、世帯収入は低下します。

では、60代の方は老後生活に備えていくらほど貯蓄をしているのでしょうか?今回は、60代の平均貯蓄額や生活費の平均をご紹介します。

60代の金融資産保有状況

60台保有資産

※出典:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査」令和5年(2023年)

60代の金融資産保有割合は、預貯金の97.5%が最多で、次いで株式33.7%、積立型保険商品32.7%となっています。

60代は、老後の生活資金や病気・災害等への備え、子孫へ遺産を残す事を目的とした、金融資産保有に移行していることがうかがえます。
株式や債券の保有率が20~50代と比較すると高まっている事がわかります。

60代の平均貯蓄額

平均貯蓄額※出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

厚生労働省の調査によると、
60代の平均貯蓄額は一世帯当たり1,738.8万円です。50代の平均貯蓄額が1,248.4万円、70歳以上は1,594.7万円を上回り、60代の平均貯蓄額がもっとも高い結果となりました。

また、60代の平均借入額は192.3万円であり、40代の970.4万円、50代の544.9万円と比較して大幅に減少しています。

60代の貯蓄額の中央値

中央値とは、データを小さい順に並べたとき、おおよそ真ん中に位置する値のことです。

平均値は、一部の極端な数値の影響を受けることで実態と乖離することがあります。そこでより実態に近い数値を把握したいときは、中央値の確認が有効であるといわれています。

金融中央広報委員会の調査によると、60歳代が保有する金融資産保有額の中央値は以下の通りです。

  • 二人以上世帯:700万円

  • 単身世帯:210万円

出典:金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査」令和5年(2023年)単身世帯 二人世帯以上

調査結果をみると、家族構成にかかわらず金融資産保有額が1,000万円以内である世帯が多いようです。また、二人以上世帯が保有する金融資産保有額は単身世帯の約3倍です。

60歳代以降の家計の収支

次に、60歳代におけるひと月あたりの支出や収入をみていきましょう。総務省の調査によると、2023年の高齢無職世帯の家計収支は以下の通りです。

 

高齢夫婦無職世帯

高齢単身無職世帯

可処分所得

213,042

114,663

消費支出

250,959

145,430

不足分

37,917

30,767

出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」

高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上である世帯

高齢単身無職世帯とは、60歳以上の無職世帯

上記の結果には、70代以降のデータも含まれていますが、老後生活の平均支出から平均収入を差し引くと3万円以上の赤字が発生していることがわかります。

一方で新型コロナウイルス感染症の影響下にあった2020年度の調査をみると、夫婦高齢者無職世帯は1,111円の黒字、高齢単身世帯は7,523円の赤字でした。
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)
2020年(令和2年)

老後生活における家計の収支は、世帯によって大きく異なります。老後資金を準備するときは、老後生活を迎えたあとご自身の世帯における支出と収入が、それぞれいくらになるのかを計算することが大切です。

老後のお金への不安はどう対処する?

老後資金の準備はできるだけ早く始めるのが望ましいですが、老後生活が近づいていても諦める必要はありません。ここでは、老後生活におけるお金の不安の解消方法を2つご紹介します。

老後も働けるまで働く

定年退職をしたあと、年金生活に移行するのではなく働き続けて収入を得るのも方法です。

総務省の調査によると65歳以上の就業者数は、2013年の637万人から2023年には914万人となり約43%も増加しています。
※出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)
2023年(令和5年)平均結果」

一方で65歳以上の人口については、2014年の3,300万人であったのに対し、2024年は3,625万人と約10%の上昇であるため、働く選択をする高齢者が増えているといえます。
※出典:総務省「高齢者の人口

厚生年金に加入できれば、保険料を納めることで受給額を増やせるでしょう。また退職後に収入を得る代わりに、年金の受け取りを遅らせるのも方法です。

65歳以上になると受給できる「老齢年金」は、受取開始の年齢を遅らせると年金額に所定の割増率が適用されます。20224月からは、老齢年金を繰り下げ受給できる年齢が最大75歳に延長され、割増率は最大84%まで増えました

iDeCoや新NISAなどで資産形成をする

預貯金だけでなく、iDeCoや新NISAなどさまざまな方法で資産を形成していくことも、老後生活におけるお金の不安を解消するうえで大切なことです。

iDeCoは、掛け金を支払って投資信託や保険などを購入し、自分自身で老後の年金を積み立てる制度です。20225月からは、iDeCoに加入できる年齢が拡大され、国民年金や厚生年金に加入していれば60歳以降も加入できるようになりました。

また、NISAでは18歳以上であれば利用が可能です。2024年1月から、新NISA制度が始まりました。これまでは、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、どちらかを選択しなければなりませんでした。
新NISA制度では、それらが1本化され、「つみたて投資枠」「成長投資枠」になり、両枠併用可能・年間投資枠の拡大・非課税保有期間が無制限になりました。

年金を受け取る前後の資産形成としては、増やしながら取り崩す事を意識しましょう。
収入が限られている場合は、リスク許容度は低めにするのがベターです。
自分はどのような貯蓄方法が良いのか? 今の貯蓄方法は適正なのか?
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他にも、持ち家に住んでいる方は、自宅を担保にお金を借り入れる「リバースモーゲージ」を利用して資金を調達する方法もあります。
さまざまな手段のなかから、ご自身に合った方法を選ぶことで、老後生活のお金の不安は解消されやすくなるでしょう。

年代別平均貯蓄額と中央値

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